た行

【た】
◇ターミナルケア

末期がんなど、余命わずかと診断された患者に対し、延命を行わず、身体的、精神的苦痛を極力減らす看護や介護を実践することで穏やかな最期を迎えられるようにすることを目指した看護のことです。終末医療、終末ケアともいいます。また、ターミナルケアを専門に行う施設をホスピスと呼びます。

◇第1号被保険者

介護保険の被保険者のうち65歳以上の高齢者をいいます。第1号被保険者の保険料は、国が定める基準に基づき各市町村が介護サービスの給付水準により条例で制定します。第1号被保険者は、要介護・要支援状態になった場合に、要介護・要支援の認定を受けてから、介護保険サービスが利用できます。

◇第2号被保険者

介護保険の被保険者のうち、40歳以上65歳未満の医療保険加入者で特定疾病にかかっている人をいいます。第2号被保険者の保険料は、加入している医療保険の計算方法をもとに決められた額を、医療保険料に上乗せして徴収されます。第2号被保険者は、老化が原因とされる病気(16種の特定疾病)によって要介護・要支援状態になった場合に、要介護・要支援の認定を受けてから、介護保険サービスが利用できます。

◇宅老所

介護保険外の民間独自の福祉サービスを提供している小規模な老人施設のことです。デイホームともいいます。運営母体は民間や市町村などさまざまな地域密着型サービスです。

◇短期記憶

数十秒前のことなど、比較的短い時間しか保持されない記憶のことです。認知症の場合、新しいことは覚えにくく、どこに物を置いたか忘れたり、食事をしたことを忘れる、繰り返し同じことを聞くなどの症状が見られ、これを短期記憶障害といいます。

◇短期入所

ショートステイともいいます。高齢者や障がい者等が短期間(原則として7日以内、場合により延長も可能)施設に入所し、介護サービスを受けることです。日常生活上の支援・機能訓練・レクリエーションなどが受けられる短期入所生活介護と医療上の介護・治療・療養・看護・機能訓練などが受けられる短期入所療養介護があります。

◇短期入所生活介護

介護保険法における居宅サービスの一つ。介護保険サービスを利用する要介護・要支援者が、特別養護老人ホーム等の施設や老人短期入所施設へ短期間入所し、入浴・排せつ・食事等の介護やその他の日常生活上の支援、機能訓練サービス、レクリエーションなどを受けることができます。この一定期間、家族など介護者の身体的・精神的負担を軽減することができます。

◇短期入所療養介護

介護保険法における居宅サービスの一つ。介護保険サービスを利用する要介護者・要支援者が、介護老人保健施設や介護療養型医療施設及び療養型病床群を有する医療機関に短期間入所し、医療上の介護・治療・療養・看護・機能訓練などを受けることができます。この一定期間、家族など介護者の身体的・精神的負担を軽減することができます。

◇端坐位

足を下ろして座った姿勢のことです。椅子に座った時やベッドの端に腰かけた状態です。

【ち】
◇地域包括支援センター

市町村が設置運営する地域包括支援センターとは、介護保険法で定められた、地域住民のための保険医療の向上および、福祉の増進を包括的に支援することを目的とした施設のことです。保健師や社会福祉士、主任ケアマネジャーの配置が義務付けられており、要支援高齢者の介護予防マネジメントを行うほか、権利擁護や虐待の早期発見・防止、困難事例などの相談支援にあたります。

◇地域密着型サービス

地域密着型サービスとは、認知症や寝たきりになっても住み慣れた地域で生活が維持できるよう、在宅の要介護者に対し提供されるサービスのことです。小規模な施設や居宅サービスが特徴で、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、地域密着型特定施設、小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護などがあります。

◇地域密着型特定施設入居者生活介護

地域密着型サービスの一つ。入居定員30人未満の比較的小規模の地域密着型特定施設において、食事や入浴、排せつ等の日常生活上の支援や機能訓練などの介護サービスが提供されます。

◇痴呆症

現在は一般的に認知症と呼ばれています。脳や身体の疾患を原因として、記憶・認識・判断・学習などの認知機能が低下し、自立した日常生活に支障が生じる状態のことです。アルツハイマー型、脳血管性などの種類があります。

◇聴能訓練士

難聴など聞く能力に支障がある人に対し、医師の指示に基づいて、聴力検査、補聴器の選択・使い方の指導、聴覚の回復・治療などのリハビリを行う専門職のことです。言語聴覚士(国家資格)の業務のうち、聴覚に特化した部分を受け持ちます。

【つ】
◇通所介護

日常生活において支援・介護が必要な高齢者が、日帰りでデイサービスセンターや特別養護老人ホーム等の施設に通って、食事・入浴・排泄などの日常生活を支援されたり、健康状態の確認、機能訓練等の介護サービスを受けることです。デイサービスともいい、リハビリテーション中心のデイケア(通所リハビリテーション)に対し、デイサービスは生活支援サービスが中心です。通所の際の送迎サービスもあります。

◇通所リハビリテーション

日常生活において支援・介護が必要な高齢者が、介護老人保健施設やリハビリ病院などリハビリ専門職のいる施設等に通って、心身の機能の維持回復を図り、日常生活における自立支援のためのリハビリテーションを受けるサービスのことです。デイケアともいい、生活支援サービスが中心のデイサービス(通所介護)に対し、デイケアは、リハビリテーションが中心です。

◇通所リハビリテーション計画書

通所リハビリテーション(デイケア)を実施するために作る計画書のことです。医師の指示に従い、ケアプランに沿って製作されます。制作後に利用者、家族への説明を行い、同意を得る必要があります。サービス提供実施後には、デイケアの実施状況・モニタリング等の記録を記載していきます。

【て】
◇定期巡回・随時対応サービス

介護保険の地域密着型サービスのひとつです。日中・夜間を通じて、服薬や排泄介助(おむつ交換)など、利用者にとって必要な訪問介護・訪問看護サービスを提供するため、1日に複数回・短時間、利用者宅を訪問する定期巡回サービスと、夜間など緊急時に来てもらえる随時対応サービスを組み合わせたものです。1つの事業所で訪問介護と訪問看護を一体的に提供する「一体型」と、訪問介護を行う事業者が地域の訪問看護事業所と連携をしてサービスを提供する「連携型」があります。

◇デイケア

日常生活において支援・介護が必要な高齢者が、介護老人保健施設やリハビリ病院などリハビリ専門職のいる施設等に通って、心身の機能の維持回復を図り、日常生活における自立支援のためのリハビリテーションを受けるサービスのことです。通所リハビリテーションともいいます。

◇デイサービス

日常生活において支援・介護が必要な高齢者が、日帰りでデイサービスセンターや特別養護老人ホーム等の施設に通って、食事・入浴・排泄などの日常生活を支援されたり、健康状態の確認、機能訓練等の介護サービスを受けることです。通所介護ともいい、通所の際の送迎サービスもあります。

◇適合高齢者専用賃貸住宅

「高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成13年法律第26号)」の規定により登録されている高齢者専用賃貸住宅のうち、厚生労働大臣が定める基準に適合するものとして都道府県知事に届けられた住宅のことです。2011年10月から、適合高齢者専用賃貸住宅はサービス付き高齢者住宅(サ高住)へ移行されました。

◇摘便(てきべん)

寝たきりや麻痺などで、肛門の出口まで下りている大便を自力で排泄する能力が衰えた人に対して、肛門から直腸に指を入れ、便を掻き出す医療行為のことです。医療機関においては看護師が患者に対して行いますが、介護施設などでは医療職の指導のもと、介護職が行うこともあります。

◇癲癇(てんかん)

慢性の脳疾患の一種で、大脳の神経細胞(ニューロン)の過剰な放電によって、突然意識を失う、特徴的な痙攣(けいれん)といった発作を繰り返しおこす疾患のことです。原因不明の突発性のものと、脳の障害や傷によりおきる症候性のものがあります。

【と】
◇糖尿病

血液中のブドウ糖濃度を表す血糖値が異常に高い状態となる病気です。通常、正常な血糖値は100mg/dl未満、糖尿病は126mg/dl以上とされています。血糖値が高くてもすぐに問題になることはあまりありませんが、数年間続くことで全身の血管が損傷し、糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症などの合併症をひきおこす可能性が高くなります。

◇糖尿病性神経障害

糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症とともに、糖尿病の3大合併症といわれ、介護保険上の特定疾病のひとつです。高血糖によって、両足のしびれ・痛み、立ちくらみなどの症状が現れてきます。

◇糖尿病性腎症

糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害とともに、糖尿病の3大合併症といわれ、介護保険上の特定疾病のひとつです。糖尿病の悪化によりタンパク尿を伴う腎障がいが起こり、タンパク尿・むくみの症状があらわれ、腎臓の働きが悪化またはほとんど機能しなくなり、人工透析治療が必要になります。

◇糖尿病性網膜症

糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症とともに、糖尿病の3大合併症といわれ、介護保険上の特定疾病のひとつです。眼球の内の網膜異常で、視力低下症状が現れ、最終的には失明に至る危険性があります。

◇特定施設

有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などで、介護保険の居宅サービスのひとつである「特定施設入居者生活介護サービス」の指定を都道府県より受けた施設のことです。食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練などを施設内の職員が提供します。

◇特定施設入居者生活介護

有料老人ホームなどの特定施設に入居している要介護者に対し、施設内において介護サービス計画に基づいて提供される介護サービスのことです。入浴・排泄・食事など介護、その他の日常生活のケアや、機能訓練、療養上の世話などがあります。

◇特定疾病

40~65歳未満の第2号被保険者の要介護認定の要件となる寝たきりなどになった原因疾病として認定された病気のことです。以下の16種類があります。
①筋萎縮性側索硬化症 ②後縦靭帯骨化症 ③骨折を伴う骨粗鬆症 ④シャイ・ドレーガー症候群 ⑤初老期における痴呆 ⑥脊髄小脳変性症 ⑦脊柱管狭窄症 ⑧早老症 ⑨糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症 ⑩脳血管疾患 ⑪パーキンソン病 ⑫閉塞性動脈硬化症 ⑬慢性関節リウマチ ⑭慢性閉塞性肺疾患 ⑮両側の膝関節、または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 ⑯末期がん

◇特定福祉用具

在宅(居宅)サービスのひとつ。介護保険制度における福祉用具は原則貸与(レンタル)だが、腰掛け便座や入浴補助用具など、貸与に適さないものとして、厚生労大臣が特定した福祉用具は購入することができ、制限内であれば購入費の支給が受けられます。
たとえば、入浴や排泄の際に直接触れるものなどで、腰掛便座・特殊尿器・入浴補助用具(入浴用椅子・浴槽用手すり・入浴台・浴室用すのこ・浴槽内すのこ)・簡易浴槽・移動用リフトの釣具などがあります。

◇特別養護老人ホーム(特養)

原則として、自宅での介護が困難な要介護3以上の重度の高齢者を対象とした公的福祉施設のことです。入居一時金が不要で費用も比較的安価なことから、待機者が多いです。食事・入浴・排泄などの日常生活の介護や健康管理が受けられます。特別養護老人ホーム(特養)は老人福祉法上の呼称で、介護保険制度では介護老人福祉施設といいます。

◇特別地域加算

特別地域加算とは、介護報酬加算項目のひとつです。離島や山間部・僻地など厚生大臣が定める地域に、訪問介護支援事業所がある場合は特別地域加算として、介護報酬に加算することができます。特別地域加算が設定されているサービスには、訪問介護・訪問入浴介護・訪問看護・福祉用具貸与・居宅介護支援・介護予防訪問介護・介護予防訪問入浴介護・介護予防訪問看護・介護予防福祉用具貸与があります。

◇特別徴収

第1号被保険者が一定額(年額18万円)以上の老齢退職年金給付を受けている場合、市町村に納付する介護保険料を年金からの天引きする徴収方法のことです。

◇特例居宅介護サービス費

要介護被保険者が、要介護認定の効力が生じる前に緊急的に指定居宅サービスを受けた際に支給される費用のことで、介護給付の一種です。サービス利用者の方は、まず利用料の全額を事業者に支払い、その後市町村に申請してサービス費用の9割が戻ってくる償還払い方式です。

◇特例居宅支援サービス費

要支援被保険者が、要支援認定の効力が生じる前に緊急的に指定居宅サービスを受けた際に支給される費用のことで、予防給付の一種です。サービス利用者の方は、まず利用料の全額を事業者に支払い、その後市町村に申請してサービス費用の9割が戻ってくる償還払い方式です。

◇特例施設介護サービス費

要介護被保険者が、要介護認定の効力が生じる前に緊急的に施設に入所した際に支給される費用のことで、介護給付の一種です。サービス利用者の方は、まず利用料の全額を事業者に支払い、その後市町村に申請してサービス費用の9割が戻ってくるという償還払い方式です。

◇床ずれ

医学用語では褥瘡(じょくそう)と呼ばれます。寝たきりや身体麻痺などで自力で体位を変えることができず、皮膚の同じ部分が長時間圧迫され血流が悪くなり、その部分の皮膚組織が酸素や栄養不足となり、組織の障害や壊死がおきた状態のことをいいます。